アメリカ国内の複数州で発生した集団食中毒の状況

複数州で発生した集団食中毒(Multistate Outbreak)とは

複数州で発生した集団食中毒(Multistate Outbreak)とは同一食品を起因とする複数の州で発生した食中毒と言います。一般的な食中毒が個人の衛生知識不足や一店舗での飲食店における食材の衛生管理の不足などの2次的要因が大きいことに対して、複数州で発生した集団食中毒は食品そのものが流通に乗った段階において、すでにその食品が汚染されているという1次的要因の可能性が高いことが特徴です。
すなわち、このタイプの食中毒が起こった場合は食品製造会社や複数店舗を持つ飲食事業者等の法人がその責任を問われることが多くなります。

アメリカ国内おける複数州で発生した食中毒発生件数の推移
引用元データ【アメリカ疾病予防管理センターHP

単一州における件数は行政の食品衛生に関する啓蒙効果もあり、年々減少の傾向にあるものの複数州における発生件数は増加の傾向がうかがえます。 これはアメリカ国内の流通の発達によるものと予想されます。

 2000-2004年 複数州:63件(単一州:6326件)
 
 2005-2009年 複数州:83件(単一州:4917件)
 
 2010年-2014年 複数州:118件(単一州:4040件)
 

複数州で発生した食中毒の原因疾病 2006-2015
引用元データ【アメリカ疾病予防管理センターHP

食中毒の原因疾病としてはサルモネラが断トツに多く、次いで大腸菌、リステリアと続きます。

 サルモネラ:48件
 
 大腸菌:24件
 
 リステリア:10件
 
 その他:5件