アメリカの食品アレルギー事情

アメリカでは毎年、数百万人がアレルギー症状を起こしています。その大半は軽症ですが、中には命に関わるほど重症の場合があります。アレルギーの治療法はないため、原因食品の摂取しないように細心の注意を払いつつ、万一、摂取した場合の症状の早期発見及び的確な処置ができるようになることがアレルギーを防ぐ重要な手段となります。

FDAの任務

食品アレルギーによる健康被害を防ぐため「食品アレルギー表示及び消費者保護に関する法律」が2004年に策定されました。法律はFDAによって施行され、対象は肉、卵、アルコール飲料以外の全ての食品となっています。
本法律が策定される前は原材料表示が求められていましたが原材料名の中には原料となる食品が不明瞭のものもありました。本法律は供給源となる食品を明確にすることを定めている他、本法で重要食品アレルギー物質に定義される8種類の食品原料については、その原料を含むタンパク質の有無を明記することを定めています。

アレルギー症状が起きたら

下記の症状が食後に起きたら食品アレルギーかもしれません。原因となった食品の摂取は避け、医療機関に連絡し、適切なアレルギー診断を行いましょう。食品アレルギーがあるとわかっている人が食事中や食後にアレルギー症状を起こした場合は応急処置を行い、症状が進行するようであれば近くの救急病院に行きましょう。

厳しい現実

アレルギー食品を摂取した場合、呼吸困難や急激な血圧低下などの症状を起こす可能性があります。
アメリカでは年間3万人が緊急治療室を訪れて、2千人が入院しています。また、150人が亡くなっています。
症状が起こった場合、エピ・ペンによるエピネフィリンの急速投与は症状の抑制に有効な可能性があります。

主要な食品アレルギー源

アレルギー症状を引き起こす食品(アレルゲン)は160種類以上ありますが、法律では以下の8種類が主なアレルゲンとして定められています。

1.乳
2.卵
3.魚
4.エビ・カニ
5.ナッツ類
6.落花生
7.小麦
8.大豆

アレルギー症状について

アレルギの人がアレルゲンを摂取した場合は数分から2時間までの間に下記の典型的なアレルギー症状が起こります。

・じんましん
・肌の紅潮や発疹
・腹部痙れん
・咳または嗚咽
・目眩や立ちくらみ
・喉や声帯の腫れ
・呼吸困難
・意識消失