2014年 西アフリカエボラ出血熱

 エボラ出血熱に関しては世界中で取り上げられていますが、FDAが提供している情報及び取り組みについて取り上げています。

わかっていること

・エボラはウイルス性の出血熱が原因です。

・現在、FDAが承認したワクチンや治療薬はありません。

・エボラはアメリカ国民に重大なリスクをもたらすものではありません。

・治療法:疾病対策センターがエボラの初期治療として体液と電解質のバランスの調整、酸素状態と血圧の維持、合併症の治療を挙げています。(対症療法のみ)

・治験薬:エボラ用のワクチンや治療薬は開発中の一方、開発初期の段階ではその安全性や効果はきちんと検証されていません。これらの治験薬はごく少量が試験のために製造されているのみで、治療のための入手は困難です。FDAとしてはこれらの治験薬がいつの日かエボラ患者の治療に使われる日が来ることを願います。しかし、その一方でこれらの薬品のほとんどについて、FDAの承認制とし、対症療法と感染予防に加えて、医療の場できちんと監視されることを期待しています。、

・偽治療薬:残念なことに病気が大流行の時はほぼ毎回、治療効果を謳う偽医薬品が出回ります。FDAは偽医薬品や偽りの治療効果を謳う医薬品を監視し、消費者から守るための適切な措置を講じます。消費者がこのような医薬品を見かけたらFDAに報告して下さい。

FDA情報


審査が完了した治療薬はまだないのが現状でです。感染の有無を確認するための診断薬の使用が限定的に認められているのみです。WHOや世界各国の保健機関と協働して引き続き課題に取り組んでいるところです。

★公表情報(時系列)

エボラ出血熱への対策として、公認された治療薬がないのがネックとなっています。この問題を解決するためにWHOと各国の保健機関の間で協力体制を構築しています。

2014年11月19日
FDAはメーカー3社の製品(2014年9月24日の3社とは別会社)に対して、エボラ出血熱への治療効果の表示を削除するよう警告書を発行しました。

2014年11月10日
FDAはエボラ出血熱診断薬「RealStar」を承認しました。

2014年10月28日
マーガレット・ハンバーグFDA長官はFDAはエボラ出血熱の世界的蔓延に対処すべく、診断薬の緊急使用や治験薬の利用を積極的に承認しているとコメントしました。

2014年10月25日
FDAはバイオファイアディフェンス社製造のエボラ出血熱診断薬を承認しました。

2014年10月10日
FDAは疾病対策予防センターに要請によりEmergency Use Authorization法に基づき新たなエボラ出血熱診断薬を承認しました。

2014年10月10日
FDAは国防総省に要請によりEmergency Use Authorization法に基づき新たなエボラ出血熱診断薬を承認しました。

2014年9月24日
FDAはメーカー3社の製品に対して、エボラ出血熱への治療効果の表示を削除するよう警告書を発行しました。

2014年9月24日
世界各国の医薬品規制当局はWHOと協力して治療薬の可能性のあることを示す関係書類の収集を促進しています。

2014年8月25日
FDAとWHOはエボラ出血熱を含む公衆衛生上の緊急事態への迅速対応を目的として協力関係を結ぶことになりました。これにより、各団体が持つ非公式情報も共有されることになります。

2014年8月22日
FDAボイスにFDAのエボラ出血熱への取り組み状況を載せています。

2014年8月14日
FDAのルシアナ・ボリオ医学博士はMedscapeのホームページ上で専門家としてのコメントを述べています。

2014年8月5日
FDAは国防総省の開発したエボラ出血熱の診断薬について非常時使用薬として認めました。この診断薬はエボラ出血熱の症状が表われた人やウイルスに感染する可能性のある環境に曝されている人を対象としています。

FDAの役割

・開発中の医薬品の情報を共有するとともに承認プロセスを迅速かつ明確化していきます。

・関係機関に治療薬の開発スピードを高めるための働きかけを行っています。

・EUA(緊急時承認)法によって緊急事態発生の間は未承認医薬品も利用できるようになっています。

・上記の他にEIND(緊急時治験薬適用)法によっても未承認医薬品の利用が可能です。ただし、FDAへの申請が必要です。

・残念な事に緊急事態の際は偽物の薬が出回るのを防止する活動も行わなければなりません。FDAはエボラ出血熱について、偽物の薬を監視し、発見次第、 消費者保護のための適切な処置を取ります。