食品接触物質法(Food Contact Substance=FCS)

法制定の背景

1997年のFDA近代化法において制定、公布

この法律ができる前は間接添加物と呼ばれており、今回、食品接触物質として再定義されました。(再定義後はその範囲がより広くなりました。)この食品接触物質を市場販売前に点検する方法としてFCNプログラム(後述)を確立しました。そのプログラムは食品添加物の申請方法よりは簡略化されるのみならず、製造者または供給者の特許となる点が特徴となります。よって、審査期間中は機密情報として扱われますが、審査後は機密事項以外はFDAはその内容を公表することができます。審査機関は120日間を限度としています。申請方法は簡略化されているとはいえ、それに求められる事項である「無害である」点に関しては食品や食品添加物などと何ら変わりはありません。FCSはFD&C法にて「食品の製造・包装・梱包・輸送・保管で使われる素材の全て。ただし、食品への技術的効果がないものに限る。」と定義されています。食品接触物質は安全性の認定を受けた食品添加物を含みます。

FCSの例(初期段階のモノマーやコポリマーも含む)
ポリマー、モノマー、紙や金属へのコーティング、紙やポリマーへの添加剤、接着剤、イオン交換樹脂、食品加工機器

FCS申請プログラム(食品接触物質申請プログラム)

A 適用範囲

①申請者:(そのFCSを使用する)食品の製造者、FCS(食品接触物質)の供給者(製造者を含む)

②申請時期:新たに当該品を使用する時(=認可されていないFCS物質を使用する時、または認可されているFCSを異なる方法で使用する時)または認可済のFCSの内容を変更する時。

B 内容

① 化学的指針
製造工程、推奨使用方法、安定性、意図される技術的効果、食品への移行の度合い

② 毒物学的指針
広範囲に渡る毒物学的データ

③ 環境指針
国家環境政策法の要求基準を満たしているかどうか。または適用除外か。

FCSの形式、申請書
申請時はフォーム3480の提出が必要で、紙とウェブでの2通りの提出方法があります。

C 審査期間

①1日目:申請書の受領

②21~30日目:1フェーズ目 審査

③31~119日目:2フェーズ目 審査

④119日目:最終決定

その他

通知前相談

申請前に申請予定者がFDAに事前相談できる制度です。相談は文書やメールの他、面談でも受け付けています。また、申請書のドラフトを送り、コメントをもらうことも可能です。

FOIA(情報公開法)による要請

アメリカ国民なら誰でも行政に情報の公開を要請することができます。この制度により過去に不受理となった間接添加物や有効な食品添加物の通知における特別な情報を知ることができます。ただし、要請は書面かファクシミリのみでメールは認められておりません。